外壁塗装で使用される塗料には、たくさんの種類があります。
どれを選んだら良いのかわからない方も多いでしょう。
本記事では、外壁塗装で使用される塗料8種類について、価格や特徴について解説していきます。
- アクリル塗料
- ウレタン塗料
- シリコン塗料
- ラジカル制御型ハイブリッド塗料
- アクリル100%塗料
- ナノテクノロジー塗料
- フッ素塗料
- 無機系ハイブリッド
それぞれ詳しくみていきましょう。
外壁塗装で使用される塗料の種類一覧表
塗料名 | 1m2あたりの価格 | 耐用年数 | 強み | 弱み |
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アクリル塗料 | 1,000~1,500円 | 5~8年程度 | ・低価格だが発色がいい ・弾性のものはクラックに対して追従性がある | ・頻繁な頻度で塗り替えが必要 ・外壁材には向いていない |
ウレタン塗料 | 1,800~2,500円 | 7~10年程度 | ・汎用性が高く価格も安め | ・シリコン塗料との価格差があまりなくなった |
シリコン塗料 | 2,500~3,500円 | 10~13年程度 | ・数多くの製品が存在し選択肢が多い | ・性能はほぼ値段に相当する ・安いものから高いものまである |
ハイブリッド塗料 | ラジカル制御型3,000~4,000円 | 12~15年程度 | ・シリコンよりも耐用年数が長い ・費用対効果も高い ・底汚染機能あり | ・科学技術満載で性能を理解しづらい |
アクリル100%塗料 | 3,800~4,500円 | 13~15年超 | ・クラックへの追従性が高い | ・輸入品 ・経年の経過を見てから判断しなければならない |
ナノテクノロジー塗料 | 2,500~5,500円 | 12~15年程度 | ・降雨で汚れを洗い流せる ・シリコンのものの値段が安い | ・艶なししか選べない ・彩度が低い色しかない ・製造しているメーカーが限られる |
フッ素塗料 | 3,000~5,000円 | 13~15年超 | ・公共の建物にも多く施工 ・汚れにくく耐用年数を長くするオプションあり | ・同価格帯でさらに耐用年数が長い塗料がある |
ハイブリッド | 無機系4,000~5,500円 | 15~20年超 | ・耐用年数が長い ・国土交通省の新技術情報提供システムに登録 | ・他の部分とのメンテナンスサイクルが合わない |
それぞれの塗料について、詳しく解説していきます。
1.アクリル塗料
アクリル塗料 | |
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価格(㎡単価相場) | 1,000~1,500円 |
耐用年数 | 5~8年程度 |
強み | ・低価格な上に発色がいい ・弾性のものはクラックに対して追従性がある |
弱み | ・屋外での耐久性に難があるので、頻繁に塗り替えが必要 ・透湿性が高いので水分を嫌う外壁材には向いていない |
低価格なアクリル塗料は、最近ではあまり使われなくなりました。
持続性が低く、高頻度で塗り替えが必要なためです。
ただし、アクリル塗料は発色が良く、「数年で良い」という期間限定の建物などには時折使用されています。
そのような建物の運用をしたい人や、低価格で塗り替えを繰り返したい人にはおすすめです。
2.ウレタン塗料
ウレタン塗料 | |
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価格(㎡単価相場) | 1,800円~2,500円 |
耐用年数 | 7~10年程度 |
強み | ・一般的な住まいなら塗る場所を選ばないという汎用性 ・価格も安め |
弱み | ・シリコン塗料との価格差があまりなくなった ・積極的に選択する理由が少ない |
木材から金属まで、どんな表面にも塗ることができる万能なウレタン塗料。
環境や場所によっては、それなりの長寿命性も期待できるという特性を持っています。
ただし、さらに持続性のあるシリコン塗料との価格差が縮まり、使用される頻度も少なくなってきています。
3.シリコン塗料
シリコン塗料 | |
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価格(㎡単価相場) | 2,500円~3,500円 |
耐用年数 | 10~13年程度 |
強み | ・どのメーカーでも売れ筋の塗料なので、数多くの製品が存在し選択肢が多い ・多くの製品が生まれたので、生産管理などのノウハウが蓄積されている |
弱み | ・価格が安いものから高いものまでが存在し、性能はほぼ値段に相当する ・シリコン塗料という理由だけで選択してしまうと期待はずれになることもある |
最近では最も一般的で耐用年数もかなり長いため、使用する人が多いシリコン塗料。
しかし、最近ではシリコンよりも耐用年数が長く、コストパフォーマンスに優れるラジカル制御型のハイブリッドが登場したため、ウレタン塗料と同様徐々に人気が下がってきています。
4.ラジカル制御型ハイブリッド塗料
ラジカル制御型ハイブリッド塗料 | |
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価格(㎡単価相場) | 3,000円~4,000円 |
耐用年数 | 12~15年程度 |
強み | ・シリコンよりも耐用年数が長く、費用対効果も高い ・ほとんどの塗料が底汚染機能を備えている |
弱み | ・科学技術満載で複雑すぎて、そのメリットを理解するまで時間がかかる |
2010年代以来、各メーカーが積極的に新製品を市場に投入しているジャンルである、ラジカル制御型ハイブリッド塗料。
多くのメーカーが「ラジカル」、「ハルス」、「ハイブリッド」といった語を組み合わせて商品名を付けており、業者によっては「ラジカル塗料」、「ラジカルフリー塗料」、「ラジカル制御型塗料」といった異なる呼称が混在しています。
シリコンよりも耐用年数が長く費用対効果も高いことから、人気の高い塗料です。
5.アクリル100%塗料
アクリル100%塗料 | |
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価格(㎡単価相場) | 3,800円~4,500円 |
耐用年数 | 13~15年超 |
強み | ・クラックへの追従性が高いので、塗り替え後に下地の外壁にヒビが入っても目立たない ・雨水の浸水も防げる |
弱み | ・輸入品であるため、日本の気候に向いているか疑問が残る ・メーカーサイトで経年の経過を見てから判断しなければならない ・クラックが入りにくい外壁では弾性である必要性を感じられない |
アクリル樹脂100%の塗料で、ピュアアクリルとも呼ばれます。
不純物を完全に取り除いたピュアアクリルは、フッ素と同等の耐用年数と耐汚染性を実現。
最大の特徴は、優れた弾性を持っていることです。
そのため、ひび割れが発生しやすい外壁などにも適しています。
6.ナノテクノロジー塗料
ナノテクノロジー塗料 | |
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価格(㎡単価相場) | 2,500円~5,500円 |
耐用年数 | 12~15年程度 |
強み | ・親水性による底汚染機能を備えており、降雨で汚れを洗い流せる ・樹脂成分がシリコンのものは値段が安め ・フッ素のものはナノテクノロジーと組み合わせられることで高い汚れにくさを実現 |
弱み | ・艶なししか選べない ・彩度が低い色しかない ・製造しているメーカーが限られる |
21世紀のナノテクノロジーを活用した塗料で汚れにくく、耐用年数も長いため、人気の高い塗料です。
フッ素のものはそれだけでも底汚染・長寿命だが、ナノテクノロジーと組み合わさることで、さらに高い汚れにくさを実現。
原料に石油由来の成分を大幅に削減しているため、環境にやさしいのもポイントです。
光沢がなく、マットな仕上がりが特徴であり、光沢のあるバージョンはありません。
7.フッ素塗料
フッ素塗料 | |
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価格(㎡単価相場) | 3,500円~5,000円 |
耐用年数 | 13~15年超 |
強み | ・公共の建物にも多く施工されているという抜群の信頼性と実績 ・綺麗を長続きさせ、耐用年数を長くするオプションもある |
弱み | ・近年では同価格帯でさらに耐用年数が長い塗料も存在する |
フッ素塗料は高価ながらも、耐用年数の長さからビルやマンションなどの建物に広く採用されています。
頻繁な塗り替えが難しい場合でも、耐久性と寿命の長さが魅力です。
フッ素塗料は、その信頼性からスカイツリーの塗装にも採用されました。
8.無機系ハイブリッド
無機系ハイブリッド | |
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価格(㎡単価相場) | 4,000円~5,500円 |
耐用年数 | 15~20年超 |
強み | ・公共性の高い建物、海の近くのプラントや工場などでも使用 ・国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)にも登録済み |
弱み | ・耐用年数が長すぎるため、他の部分のメンテナンスサイクルと合わない ・トータルでのコストが割高になる可能性もある |
約20年以上も持続するとされ、非常に耐久性の高い無機系ハイブリッド塗料。
有機的な成分と無機的なシリコンの結合をうまく組み合わせており、国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)にも登録される信頼性の高さが魅力です。
まとめ
外壁塗装に使われる塗料には、さまざまな種類があります。
それぞれにメリットデメリットがあるので、塗装を行う建物に合わせて選択をすることが重要です。
使いたい塗料が決まっている場合には、依頼する業者が対応できるかどうかを確認しておくことも大切。
本記事をぜひ、外壁塗装の際には役立ててくださいね。